Kosma – Kalderon
(INFRACom! – IC 047-1 / 12" / Germany / 1999)
ベルリンのプロデューサー Roskoe(Roskow)Kretschmann によるプロジェクト、Kosma 名義での重要作『Kalderon』は、1999年にドイツのクロスオーバー系名門〈INFRACom!〉からリリースされた一枚。クラブ・ジャズ以降の潮流を背景に、クラウトロック、ジャズ、エレクトロニカ、実験音楽を果敢に融合させた、ジャンル横断的なアヴァン・ジャズ/エレクトロ・ジャム作品として評価されている。
A面「Kalderon」では、Rhodes、Roland Band Echo、Korg MS-20、EMU E6400 などのアナログ/デジタル機材を駆使し、12分超におよぶサイケデリックでスピリチュアルなサウンドスケープを展開。重層的な電子音と即興的なリズムの交錯により、〈Can〉や〈Bitches Brew〉期のMiles Davis、90年代末のジャーマン・エレクトロニクスが交差するような、深遠なアヴァン・ジャズ・フュージョン世界を描き出している。
B面「Sinther (Genova Remix)」は、"Remix"とされているものの、実質的には別視点からのオリジナル・プロダクション。Rhodes、Korg MS-20、Roland SH-2000、Jupiter、Yamaha YC-30といったヴィンテージ機材が多重に使用され、さらにWindspiel(風鈴)やRoland Band Echoの残響を活かした音響処理により、より幻想的かつ実験的なアプローチを展開。タイトなビートとシンセのレイヤーが織りなすディープなグルーヴが印象的で、A面とはまた異なる没入感を持つジャム・トラックとなっている。
〈INFRACom!〉の幅広い音楽性を象徴すると同時に、Kosma(Roskow Kretschmann)のプロダクションにおける探究心が色濃く表れた意欲作。ジャズ、エレクトロニクス、クラウトロック、ポスト・ロックといったジャンルの境界を軽やかに越えながら、リスナーに深い音の体験を提示する、奥行きあるサウンドジャーニーが詰まっている
A Kalderon 12:24
B Sinther (Genova Remix) 11:12
状態
メディア: VG++
スリーブ: VG+
コンディションランク
MINT(M)
Near Mint(NM)
Very good Plus(VG+)
Very good(VG)
Good Plus(G+)
Good(G)
Fair(F)
Poor(P)
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